ねこきのこの頭の中

映画と本と自作ポエムをつらつらと。

ふくわらい 西加奈子著

全260ページは熱くて乾燥していて血なまぐさくて優しくて生きていた。
主人公の定は確かに少し変わっているけど、野生の人間を体現しているようだった。
かつて人間はきっとこうだったのだろう。
言葉を持つ前のヒトとは。
恋や愛について人は簡単に言葉にしすぎるが、西さんなりに表現すると、ふくわらいなんだろう。
原点にかえれる、心打つ作品だった。
読み終えて幸せだ。